モスクワで開催のホッキョクグマ・フォーラムでIFAWが国際商取引の中止を訴える

Tuesday, December 3, 2013
米ワシントンD.C.

「ホッキョクグマ保護に関する協定」締結から40年を記念して開催されているホッキョクグマ保護国際フォーラムにおいて、国際動物福祉基金(IFAW-www.ifaw.org)は、気候変動とそれによるホッキョクグマの生息地喪失の問題に取り組むと同時に、ホッキョクグマの体の部位の国際的な商取引を禁止することにより、ホッキョクグマが現在直面している脅威にさらに踏み込んで対処するよう各国に訴えました。

無秩序な狩猟の結果ホッキョクグマの個体群が絶滅の危機にさらされていた時代に、ホッキョクグマの生息国全5カ国が調印した1973年の保護協定は、無規制の搾取、違法取引、公害、人間との衝突など当時の脅威に焦点を合わせたものとなっています。ホッキョクグマにとっての脅威は当時から多少変化していますが、保護の必要性が差し迫っている状況は40年前と変わりません。

IFAWのロシア・CIS事務所長のマーシャ・ヴォロンツォワ博士は、ロシア政府のホッキョクグマ保護政策及び密猟防止対策に関するアドバイサー役として影響力を発揮してきました。「40年前の協定がうまく解決してくれるという期待は捨てて、これらの脅威に真っ向から取り組む必要があります」とヴォロンツォワは言います。「ホッキョクグマの生活と存続について最初に問題を提起したのはソ連でした。1957年にはホッキョクグマの狩猟が全面的に禁止されました。今ロシア政府はこの会議の開催国として大きなリーダーシップを発揮しています。ホッキョクグマが直面する脅威の変化に対応したホッキョクグマ保護に関する宣言が必要です。」

ロシアのメドベージェフ首相が主催するホッキョクグマ保護フォーラムには、全生息国の政府代表者のほか、NGOが5団体のみ参加しています。IFAWも参加団体の1つです。

「北極の生けるシンボルは銃を突き付けられた状態です-比喩的に気候変動という意味において、また文字どおり、密猟とトロフィーや体の部位を狙った過剰搾取という両方の意味においてです」とIFAWのCEO、アズディン・ダウンズは言います。「気候変動が彼らを危険にさらす重大な要素であることに議論の余地はありません。気候変動の問題に取り組んで、ホッキョクグマを保護するための努力を一層強めなくてはなりません。しかし気候変動対策は時間がかかり簡単ではありません。今できることとして、ホッキョクグマが直面するその他の脅威を軽減することも重要です。トロフィーのための過剰搾取、毛皮などの製品の商取引もその1つです。これらはなくてもいいものであり、政策の変更により解決できます。」

今年始め、IFAWロシアはロシア語のインターネットサイト上で、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)」、通称ワシントン条約に掲載されている動物に由来する製品を売買する広告を監視する調査を行いました。ロシアでは1957年以降ホッキョクグマ猟が禁止されていますが、ワシントン条約の認定書が付いているホッキョクグマの毛皮や部位の輸入は認められています。残念ながら1ヶ月間でホッキョクグマの部位と製品(主に毛皮と毛皮のカーペット)を売買する広告が75件見つかりました。中には「ホッキョクグマのスペアパーツ求む。頭から耳まで、耳付き可」、「ホッキョクグマの頭の剥製。トロフィー毛皮。1945年にドイツより輸入。残り頭部のみ」などといった広告もありました。全体をホッキョクグマの毛皮で覆い、アームレスト部分には手まで付いているソファの広告もありました。カナダから輸入されたホッキョクグマの毛皮の価格は高騰しています(最高2,000,000ルーブル、約64,000カナダドル、2013年現在)。

高まっているのはホッキョクグマの毛皮と部位の入手しやすさだけではありません。需要そして裕福な収集家が死んだホッキョクグマに支払う金額も上がっています。この夏カナダのオークションにホッキョクグマの毛皮が出品され、22,000カナダドルで落札されました。前年に同様の製品に支払われた額の実に50パーセント増です。「これは無くなる前に買え、という危険な心理を反映しています。事実であれ、または思い込みや予想であれ、希少性が需要を高め、高い金額を支払う気を起こさせるのです」とヴォロンツォワは言います。

ホッキョクグマとその部位の需要増加、またホッキョクグマの将来の不確実性を受け、IFAWはワシントン条約におけるホッキョクグマの掲載を附属書IIから、より保護レベルの高い附属書Iに移すための後押しを続けます。この保護レベルでは死んだホッキョクグマの国際取引が禁止となるため、拡大する国際市場に対処し、すでに苦しみもがいているホッキョクグマへの脅威を軽減することができます。

「IFAWはホッキョクグマの苦しみに科学的な予防原則を適用することに賛成します」とダウンズは言います。「ホッキョクグマが苦しんでいるのを知っている私たちがすべきは、彼らが直面している、あるいは将来直面する可能性のある脅威を少しでも減らすことしかありません。」

ホッキョクグマの生息国は米国、ノルウェー、ロシア、グリーンランド/デンマーク、カナダの5カ国です。そのうちカナダだけは今もホッキョクグマを殺し国際市場で売ることが許されています。したがってワシントン条約の締約国にとって問題となっているのは、主にカナダの個体群に属するホッキョクグマの取引です。ホッキョクグマの19の個体群のうち13がカナダに生息しています。

IFAW(国際動物福祉基金)について

1969年に設立されたIFAWは助けを必要とする動物を救援する活動を世界中で行っており、40カ国以上でプロジェクトを展開しながら、個々の動物を救助し、動物虐待防止キャンペーンを推進し、野生生物保護と生息地保全を提唱しています。詳しくは www.ifaw.org.をご覧いただくか、FacebookTwitterでフォローしてください。

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