IFAW:ハイイロアザラシの殺処分に科学的根拠なし

Tuesday, October 23, 2012
カナダ、トロント

カナダ上院の漁業海洋委員会は今日、セントローレンス湾でハイイロアザラシ70,000頭の大量殺処分を推奨する報告書を発表しました。国際動物福祉基金(IFAW)はこれを科学的根拠のない、倫理に反する危険な賭けであると考えます。

「混獲や乱獲など漁業が直面する非常に深刻な問題から目をそらすために、アザラシが濡れ衣を着せられています」とIFAWのアザラシプログラムを率いるシェリル・フィンクは言います。「アザラシの処分がタラやその他の魚の資源回復につながることを示す科学的証拠は、今まで一つも提示されていません。」

上院では2011年10月にハイイロアザラシの「管理」に関する調査を開始しましたが、その調査の過程で複数の著名なカナダ人海洋科学者から強力な証言が寄せられました。彼らはハイイロアザラシの殺処分が予想外の意図しない結果を生む可能性があること、今の科学的知識ではハイイロアザラシの殺処分がタラの資源回復につながることを立証できないこと、そして結果的にタラの資源にプラスの影響があることを示すものは一切ないことを警告しました。

漁業海洋省とダルハウジー大学の科学者が共同執筆した最近の調査の中で捕食動物を殺処分したケースを検証した結果、海洋哺乳類を殺処分したケースの大半において、殺処分による魚の資源への影響は不明または影響がなかったことが分かりました。アザラシの個体数が50から80パーセント減少したケースでも同様でした。 

「カナダ政府がタラの資源回復に何かしら対策をとっているように見せかける方法としてハイイロアザラシの殺処分を行うのは、リスクが高く反倫理的でコストがかかりすぎます」とフィンクは言います。「カナダ政府は実際のところタラ漁が崩壊した20年前からほとんど何も手を打っていません。それどころか海洋漁業省は過去10年間の大半、セントローレンス湾南部において科学的助言に基づくタラの許容漁獲量を超える漁獲を許してしまっています。」

エンビロニクスの全国調査によると、カナダ国民の73パーセントが政府資金によるハイイロアザラシの殺処分に反対でした。*  アザラシの殺処分にかかる費用は、政府が委託した報告書の1つによると3500万ドルで、カナダの国際評価の影響を合わせるとハイイロアザラシの殺処分は非常に高くつきます。   

「ハイイロアザラシの殺処分は、科学ではなく感情と票集めの欲望に基づく、水産業界をなだめすかすための短期的で反射的な行動に過ぎません。政府が殺処分を実行したならば、カナダは科学と国民大半の意見に対する驚くほどの敬意のなさに、国際舞台で軽蔑されることは間違いありません。」

* 意見を持つカナダ国民

編集者へのメモ:

•     IFAWは「アトランティック・カナダのハイイロアザラシ:殺すか殺さざるか」と題する報告書と、「アザラシと漁業:水面下をのぞいてみよう」と題する殺処分問題の概略を紹介する短編アニメーションビデオを作成しました。

•     カナダの著名な科学者達が上院漁業委員会に証言を寄せ、ハイイロアザラシの殺処分に伴うリスクと不確実性について警告しています。そこには次のメンバーも名を連ねます。ダルハウジー大学生物学部海洋研究生態学者、ボリス・ウォーム博士、ダルハウジー大学生物学部教授、サラ・イヴァーソン博士、ダルハウジー大学生物学部所属でカナダ海洋生物多様性維持に関するカナダ専門家パネル王立協会会長、ジェフ・ハッチングス博士など。

•     ハイイロアザラシの殺処分は開水域でアザラシを銃殺する方法が取られる可能性が高く、この行為はアザラシを死に至らしめず負傷させるにとどまる可能性が高いため複数の獣医パネルが容認できないとしています。出産時期に沿岸部の島々でアザラシの仔を集めて撲殺する方法で殺処分が行われるとしたら、さらなる動物福祉問題が加わります。

•     殺処分の様々な筋書きを実行する財政費用は相当な額になります。過去の予想額は1500万ドルから3500万ドルの間またはそれ以上です。

Post a comment

メディア担当の連絡先

ミシェル・クリフ
Contact mobile:
+1 647 986 4329
Contact email: