イルカの大量座礁、ソナーマッピングとの関連性が初めて認められる

Wednesday, September 25, 2013
米ニューヨーク州ニューヨーク

2008年にマダガスカル北東部のロザ・ラグーン系で発生した約100頭のカズハゴンドウの大量座礁の引き金となったのは、聴覚刺激、具体的にはエクソンモービル・エクスプロレーション・アンド・プロダクション社(北マダガスカル)が契約する測量船のマルチビーム測深機システムであるとする調査結果を、独立調査団は発表しました。

事件発生当時、野生動物保護協会(WCS)は国際動物福祉基金(IFAW‐www.ifaw.org)の協力を得て、国際的な座礁チームを率いて生きているイルカを礁湖から外海へ戻し、死因究明のためにイルカの遺骸を解剖しました。

今日発表された最終報告書によると、この類の海洋哺乳類の大量座礁で高周波マッピングソナーシステムと密接に関連付けられたものはこれが初めてだということです。このような高周波マッピングソナーシステムは炭化水素産業、軍隊およびその他の産業が使用する調査船など、さまざま利害関係者によって使用されるため、今回の調査結果によって、騒音が海洋哺乳類に与える影響が懸念されます。

「今後の環境評価や運用計画、規制の判断においては、同様のMBES(マルチビーム測深機システム)に起因する行動反応および間接的な被害または死の可能性を考慮すべきである」と報告書は締めくくっています。

報告書全文はこちらをご覧ください。

野生動物保護協会(WCS)と国際動物福祉基金(IFAW)はこの報告書を歓迎し、一連のプロセスに関わった各国政府、NGO、そして産業を称賛しました。

「WCSとIFAWは、人為的騒音が海洋哺乳類に与える潜在的影響のさらなる証拠となる今回の調査結果を支持します」とWCSの「海の巨人プログラム」を率いるハワード・ローゼンバーム博士は言います。「こうしたソナーシステムは軍艦や調査船がより精密な深浅測量(水面下マッピング)を行うために広く使用されているため、その影響は炭化水素業産業をはるかに上回ります。リスクを最小限に抑え、海洋生物、特に人間の活動によって生じる海洋騒音に非常に敏感な海洋哺乳類の保護を強化するために、産業や規制当局がこの調査結果を活用してくれることを私達は願っています。」

WCSで保護と科学研究を担当する上級副会長ジョン・G・ロビンソン博士はこう付け加えます。「この一連のプロセスを推進し統括してくれた米国政府機関および国際捕鯨委員会、また特にこの活動を許可し、その結果に関心を持ち続けてくれるマダガスカル政府に感謝します。海洋哺乳類が大量座礁する原因を究明することが、このような現象を未然に防ぐために不可欠です。今回のケースでは産業と保護団体と政府の監督官庁との連携により、独立調査団による評価という最善の科学が実現しました。その結果、入手できた多量の証拠の重みに基づく結論が出されました。」

「大量座礁は最良の環境下でも対応が難しいものです。地元住民、マダガスカル政府とともに、私達はできるだけ多くのイルカを救うため、また生きたまま迷い込んだイルカに医療を施すために、専門知識を提供しました」とIFAWの動物救助を率いるケイティ・ムーアは言います。「同じく重要だったのは、座礁の根本的な原因を突き止めるために、動物からできる限りのデータを収集することでした。ISRPの報告書の完成を嬉しく思います。これが将来の保護政策の決定に活用されることを願っています。」

この報告書は大量座礁を調査するための正式なプロセスが確立された後に作成されました。このプロセスはマダガスカル政府の承認を受けて進められました。大量座礁への対応に関わった複数の団体や国際捕鯨委員会、そして米国の複数の関連機関がこの報告書の作成に寄与しました。

調査団を立ち上げ、体制を整える上で必要な助言を与えるために、またプロセスの遂行と報告書の公表を約束するために、多数の利害関係者から成る運営委員会が設けられました。運営委員会のメンバーには、ハワード・ローゼンバーム博士(WCS)、ロジャー・メルトン博士とリンダ・ジマーマン博士(エクソンモービル)、テリー・ロウルズ博士(NOAA海洋哺乳類座礁ネットワーク)、ジェイソン・ゲダムケ博士(NOAA音響計画担当)、ピーター・トマス博士(海産哺乳動物委員会)、ジル・レワンドウスキー(BOEM)、グレッグ・ドノバン博士(IWC)、ブランドン・サゾール博士(SEA)および独立調査団の代表が名を連ねます。

調査団のメンバーは次のとおりです:ブランドンL.サゾールPh.D.、テリー・ロウルズD.V.M., Ph.D.、フランセス・グランドVet.MB., Ph.D., MRCVS、ロビンW.ベアードPh.D.、ポールD.ジェプソンD.V.M, Ph.D., Dip.ECZM。

座礁の側面はまだ解明されていませんが、今回の座礁が発生する前日に調査船が大陸棚端をゆっくりと下降しながら断続的にマルチビーム測深機システムを使用したことが、イルカがラグーン系に最初に侵入する行動を起こす引き金となったと考えるのが妥当である、と調査団は結論付けています。

WCSについて

野生動物保護協会は、科学的調査、世界的な保護活動、環境教育、そしてキー拠点のブロンクス動物園を筆頭とする都会の野生動物公園の世界最大のシステムの管理を通じて、世界中の野生生物と野生地を救っています。同時にこうした活動は、自然に対する考え方を改めさせ、野生生物と人類がうまく共存する姿を思い描くのを助けます。WCSがこの使命に全力で取り組むのは、地球上の生命の健全性に不可欠なことだからです。www.wcs.orgにアクセスしてください。

 

IFAW(国際動物福祉基金)について

1969年に設立されたIFAWは助けを必要とする動物を救援する活動を世界中で行っており、40カ国以上でプロジェクトを展開しながら、個々の動物を救助し、動物虐待防止キャンペーンを推進し、野生生物保護と生息地保全を提唱しています。詳しくは www.ifaw.org.をご覧いただくか、FacebookTwitterでフォローしてください。

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