捕鯨禁止を撤廃する案が明らかに
この提案が採択された場合、ノルウェー、アイスランド及び日本の捕鯨は容認され、1986年の商業捕鯨禁止措置は撤廃されることになります。それに加え、国際的に認められた南極付近のクジラサンクチュアリにおける日本の捕鯨活動を合法化し、商業目的でクジラを殺す権利を日本、アイスランド及びノルウェーに与え、持続可能な捕鯨の上限を予測するための、IWC で確立された科学的方法をないがしろにすることになります。
イギリスのケンブリッジに拠点を置くIWC事務局が今日発表したこの案は、6月にモロッコのアガディールで開催される IWC年次総会において検討、決定される予定です。
「この案はまるで捕鯨者の願い事リストです」とIFAWのクジラ・プログラムを率いるパトリック・ラマージは言います。「絶滅が危惧されるクジラの個体群がかつてないほど多くの脅威にさらされている時に、斜陽産業に救済措置を講じるようなものです。何十年にもわたる米国のリーダーシップとIWCでの保護の進展を覆すような愚行です。」
IWCは88ヵ国の加盟政府からなり、地球の偉大なクジラの保護に取り組む国際組織です。日本、ノルウェー及びアイスランドの加盟3ヵ国は、世界規模の商業捕鯨禁止を無視して捕鯨を続行しています。今回の提案は、IWCの管理下でこれらの国々に年間捕獲枠を設けることを提案しています。
また現在の提案は:
- 全世界的な商業捕鯨禁止を撤廃し、南極付近の南氷洋サンクチュアリでの捕鯨活動を許可することになります。
- 南極付近及び北太平洋で日本が商業目的でクジラを殺すことを認めることになります。
- 日本に沿岸水域での捕鯨の権利を新たに与えることになります。
- 古くから合意されてきた科学的方法と全世界的な捕鯨禁止に反してアイスランドとノルウェーが捕鯨を続けることを認めることになります。
商業捕鯨禁止は米国ではロナルド・レーガン大統領に始まり、代々の大統領に支持されてきました。2008年4月16日、当時候補者だったバラク・オバマ氏はこう公約しました。「大統領として、国際的な商業捕鯨禁止の強化を含め、野生生物の保護協定を行使するにあたり米国がリーダーシップを発揮することを誓います。日本の商業捕鯨続行は到底認められません。」
この公約とは裏腹に、オバマ政権は危険な新提案の工作に積極的に関与し、IWC内で商業捕鯨復活に対する支持を集めています。
オバマ政権当局者とのインタビューに基づく最近の報道は、今もなお国際法に背いて捕鯨を続ける日本、ノルウェー、アイスランドの3ヵ国による捕鯨を終わらせるための取引を、アメリカが主導しているかのごとく描いています。
今日発表された提案ではそのようなことは起こり得ません。それどころか、まったく反対のことが起こるでしょう。
米国政府高官らは十数カ国の漁業代表者らとともに3年間にわたる非公開の会議を重ね、商業捕鯨禁止を撤廃するだけでなく、ノルウェー、アイスランド及び日本に合法的に捕鯨を行う権利を与え、南極の世界最大のクジラサンクチュアリを捕鯨向けに開放するような協定案を生み出しました。
「オバマ政権はこの案に強く反対する意向を示す必要があります。捕鯨を護る取引をまとめるために説得にまわる代わりに、アメリカもその他の国々も21世紀の保護政策を推進し、商業捕鯨にきっぱりと決着をつける努力をするべきです」とラマージは言います。