分類
世界の個体群
容貌と生態
容貌北大西洋のセミクジラと同様、ミナミセミクジラもずんぐりした中型のヒゲクジラです。成長すると体長は14~17メートル、体重は平均で66トンになり、他のヒゲクジラのように雌の方が雄より大きくなります。子は3~5年ごとに産まれ、体長は6~7メートルです。ミナミセミクジラの体色は黒かダークグレーで、腹や喉あるいは顎に白い模様が入っていることもあります。セミクジラの広い背中にはホッキョククジラのように背びれも畝もありません。胸びれは幅広でパドル状です。大きな頭は体長の4分の1ほどを占めることもあり、アーチ型の顎のラインと所々にある皮膚肥厚(でこぼこの隆起)が特徴です。この隆起は噴気孔の前のくちばしの部分(これは「ボンネット」と呼ばれます)や噴気孔の近く、目の上、頭の両側、顎、あるいは下唇にあります。白っぽく見えるのは、そこについているクジラジラミのせいです。2つの噴気孔が離れているためV字型になる潮吹きで遠くから見てもセミクジラとわかることがあります。
生態
ミナミセミクジラは南半球では南極の周囲に分布しています。冬は南米、南アフリカ、オーストラレーシア(オーストラリアとニュージーランド及び周辺の島々)沿岸の海、夏は南極大陸周辺の採餌場へと南北に移動します。ミナミセミクジラは群居しませんが、採餌場では大きな集団をつくることがあります。
種の現状
現状ミナミセミクジラは、国際自然保護連合(IUCN)の「絶滅危惧II類」に、またワシントン条約(CITES)の付属書Iに掲載されています。
種に対する脅威
泳ぎのスピードが遅い(最速で3~5ノット)ことと、殺すと浮く傾向があることから、昔からセミクジラはその厚い脂肪と長いひげを狙った捕鯨の標的にされてきました。長年の搾取のせいで数が回復しない北大西洋のセミクジラと違い、ミナミセミクジラはほとんどの生息域で回復しているようです。最近の推定個体数のデータはありませんが、ミナミセミクジラは数千頭はいると考えられています。他種のクジラと同様、ミナミセミクジラに対する脅威は、漁網の絡み、船との衝突、そして生息域の環境破壊です。
国際取引
ワシントン条約(CITES)の付属書Iに掲載されているため、国際取引は禁止されています。
著者と出典
出典IUCN. 2001. The 2000 IUCN Red List of Threatened Species. http://www.redlist.org.
Jefferson, T.A., S. Leatherwood and M.A. Webber. 1993. Marine Mammals of the World. FAO Species Identification Guide. UNEP, Rome. 320pp.
Leatherwood, S. and R.R. Reeves. 1983. The Sierra Club Handbook of Whales and Dolphins. Sierra Club Books, San Francisco. 302 pp.











