Choose Country

クロサイ

Bookmark and Share

 

IFAWの活動について

分類
学名
Diceros bicornus
哺乳網
亜網
奇蹄目
サイ科
クロサイ属
bicornus
世界の個体群
Black rhinoceros population map
容貌と生態
容貌
サイ(ギリシャ語で「鼻の角」)はその最も目立つ特徴である鼻先の1本あるいは2本の角からその名がつきました。

5種類のサイのうち、アフリカのシロ(Ceratotherium simum)とクロ(Diceros bicornis)サイ、そしてスマトラサイ(Dicerorhinus sumatrensis)には縦に並んだ角が2本ありますが、インドサイ(Rhinoceros unicornis)とジャワサイ(Dicerorhinus sondaicus)には1本しかありません。

クロサイの大きな方の前の角は長さ0.5~1.3メートル。サイは巨大な動物で、頭が大きく、首が短く、胸部が広く、皮膚が厚く、短い足は太くて頑丈です。 各足には3本の指があり、そのためクローバーの葉のような足跡を残します。

クロサイは実はグレーですが、体色は生息地の土の色によって黄色っぽい茶色から濃茶まで変わります。成長した雄と雌はほとんど同じ大きさで、体重は800~1,350キロ、肩高は1.4~1.7メートルです。

クロサイには把握力のある(物を掴んだりするのに適している)上唇があり、それを使って枝の端をとらえたりすることから「かぎ唇サイ」という名前がついています。

サイの視力はよくありませんが、聴力はすぐれていて、鋭い嗅覚があります。大半の哺乳類と同様、雄の睾丸は陰嚢の中へと下りず、雌は後ろ足の間に一対の乳頭があります。

出生時の体重が約40キロある子は最初はピンクがかっていますが、年をとるにつれてグレーになっていきます。

生態
クロサイには4種の亜種があります。南中クロサイ(D.b. minor)、南西クロサイ(D.b. bicornis)、東アフリカクロサイ(D.b. michaeli)、そして西アフリカクロサイ(D.b. longipes)です。

歴史的に、4種の亜種はコンゴ盆地の熱帯林を除くサハラ砂漠以南のアフリカ各地に生息していました。

今日、サイの分布は狩猟や生息地の侵食により大きな打撃を受け、あちこちの防護された猟鳥獣保護区域や私有の公園に分布されたサイが生き残っているだけです。

クロサイには門歯と犬歯がありません。その代わりに、上唇で木本や広葉草本の植物やフルーツを掴みます。

クロサイはほぼ毎日、水を必要としますが、5日くらいまでなら水飲み場に行かなくても大丈夫です。虫刺され予防に泥を体中に塗りたくるため、よく水飲み場で転げまわっています。

成長した雄のクロサイは通常は交尾期以外は単独で暮らし、雌も子がいる母親以外は誰ともいません。しかし雄も雌も短い間、2頭あるいはそれ以上の集団をつくることがあります。成長した雄は交尾させてくれる雌をめぐって激しく戦います。そのような戦いから死ぬ確率は哺乳類の中で最も高くなっています。

雌のクロサイは4~7歳の間に性的成熟を迎えます。雄は7~8歳ですが、優位を占めるようになるのは10歳くらいです。

2~4年ごとに子が1頭産まれます。早いときは22ヶ月の場合もあります。大半は乾季に産まれ、1歳くらいで乳離れします。2~3歳くらいで次の子が産まれる直前に母親に追い払われてしまいます。

トップに戻る

種の現状
現状
クロサイは国際自然保護連合(IUCN)の「絶滅危惧IA類」に掲載されています。

またワシントン条約(CITES)の付属書Iにも掲載されているので、クロサイ製品の輸入及び輸出は禁止されています。クロサイは分布域内の各国の野生生物保護法でも護られていますが、その強制力は国によって違います。

種に対する脅威
クロサイは歴史的に入植者や大物狙いのハンターたちの狩りの対象であったため、植民地時代に減少しました。

1970年から1990年代をとおしてクロサイは激しく密猟され、当時推定されていた100,000頭から3,000頭弱へと激減しました。

1970年代、ワシントン条約(CITES)下の保護は効果がなく、個体数は減り続けました。角は闇取引され、短剣の柄として男性のステータスシンボルとなっていたアラブ諸国(特に北イエメン)に売られました。

サイの角を挽いて粉にして漢方薬にするアジア諸国も闇取引のお得意様です。クロサイを殺すことは今でも違法ですが、そのような漢方薬やアラブの短剣の柄に対する市場の需要を満たすためにサイを殺す密猟者が後を絶ちません。アフリカで続く貧困もサイの角の違法取引をあおる要因ですが、野生生物を保護する側にもそれをやめさせるだけの資金も支持もありません。

内乱があると密猟が増えますが、アンゴラ、チャド、モザンビーク、ソマリア、スーダンなどのアフリカ諸国では過去30年間、内戦が続いています。政治や貧困の他にも汚職や無知、(内戦によって)武器の入手が可能なこともサイの個体群に対する大きなマイナス要因となりました。

今日、ほとんどすべてのクロサイは柵に囲まれた小さな地域で武装したガードに護られて生存しています。このような保護態勢の持続には費用がかかるため、多くは観光収入に依存しています。密猟抑制の手段として、地元の村人たちを巻き込んで保護による利益を直接還元する(例えば保護施設やエコツーリズムでの雇用)、教育プログラムの導入、ガードの増強、そしてサイをより安全な地域に移すなどの方法がとられています。

密猟者をその場で撃つ、市場価値をなくすために角を取ってしまうなど、物議をかもしている手段もあります。

いわゆる「賢い利用」主義者の中には、(サイも含めて)野生動物も自分の分は自分で稼ぐべきと主張し、雄の趣味的狩猟と市場での個体の販売、そして限定された合法取引のためにサイの角をとることを認めてはどうかと提案する人たちもいます。しかしサイや他の野生動物に価値を持たせることは密猟や違法取引が盛んに行われ続けることを確実にするも同然です。

サイの個体数が特に特定の地域で少ないことは、遺伝子の障害や過密などの長期的な課題をどのように解決するかという問題も提起します。

1998年の最新の調査では約2,600頭のクロサイがアフリカに残存していると推定しています。その数は南アフリカにおける保護増大のおかげで1990年代半ばから少しずつ増えています。

国際取引
ワシントン条約(CITES)の付属書Iに掲載されているため、国際取引は禁止されています。

トップに戻る

著者と出典
出典
CITES. 2001. Diceros bicornis. www.cites.org

IUCN. 2001. The 2000 IUCN Red List of Threatened Species. http://www.redlist.org.

WWF. Black rhinoceros. www.panda.org.

WCMC and WWF International. October 1999. Black rhinoceros threatened species account. www.panda.org.

Owen-Smith, N. and J. Berger. 2001. Rhinoceroses. Pg 477-481 In MacDonald, D. (Ed). The New Encyclopedia of Mammals. Oxford University Press, Oxfordshire, UK.

トップに戻る



Black rhino

Kapela, a baby black rhinoceros, runs during an exercise session at the Wildcare animal rehabilitation center north of Pretoria, South Africa.
写真 © IFAW