分類
世界の個体群
容貌と生態
容貌トラは世界で最も広く認知されている大型動物のひとつです。トラには一般的に8種類の亜種がありますが、黄色に黒の縞模様の背中と白に黒の縞模様の腹部という独特の毛皮の色はほとんど変わりません。インドで見つかった野生のホワイトタイガー(アルビノ)は、くすんだ白の体に茶色っぽい縞模様があり、青い目をしています。トラの縞模様の数と太さは個体によって異なります。しかも縞模様は体の両側面で対称では無く、縞模様のパターンはトラによって異なります。目の上の黒っぽい線は左右対称であることが多いですが、それ以外の顔の縞模様は左右対称でないこともあります。シマウマと同じように、まったく同じ縞模様のトラは存在しないのです。
成熟した雄のベンガルトラ(Panthera tigris tigris)の体重は180キロから258キロで、体長は2.7メートルから3.1メートル。成熟した雌の体重は100キロから160キロ、体長は2.4メートルから2.65メートルになります。
成熟した雄のアムールトラ、またはシベリアトラ(Panthera tigris altaica)は、体重180キロから306キロ、体長2.7メートルから3.3メートルになり、成熟した雌は体重100キロから167キロ、体長2.4メートルから2.75メートルになります。
すべてのトラの亜種の成熟した雄には「たてがみ」があります。アムールトラは長くて密生した冬毛で、毛羽立ってふさふさした姿に見えることもあります。冬毛の色はたいてい夏毛の色よりも白っぽくなります。
生態
歴史的にトラは、水場の近くで植物が生い茂り、餌となる大型の有蹄類が棲む、様々な場所で発見されてきました。こうした常緑樹や落葉樹の森、針葉樹林、マングローブの沼地、背の高い草地などは、東トルコからオホーツク海までアジアに幅広く広がっていました。現在ではトラの棲息地は急激に失われ、インドからベトナム、スマトラ島、中国、極東ロシアにわずかに分布しているだけになってしまいました。雄の縄張りは雌よりも広く、餌の豊富な地域にはより多くのトラが棲みます。
他のネコ科の動物と異なり、トラは水を好みます。暑い日には水に入ったり、川や湖を泳いで渡ったりもします。トラは子連れの母親か繁殖期でない限り、通常は単独で行動します。しかしながら、短い期間であれば、他のトラと交流することはあります。ライオンと同じように、成熟した雄のトラは自分の子孫でない子供を殺し、それからすぐに子供を生む準備の出来た雌と交尾をします。トラは様々な種類のシカやノブタなど、入手可能なあらゆる動物を餌にします。餌が不足した時には、若いゾウやサイ、サル、鳥、爬虫類や魚などで不足を補っているかもしれません。また、トラはクマやレパード、更には他のトラまでも食べてしまうことが知られており、時には死肉をあさることもあります。狩は日没から日の出までの間に行われ、通常は単独で狩をします。
雌はだいたい3歳で性的な成熟を迎え、雄は4.5歳ぐらいで性的に成熟します。特定の繁殖期はなく、年を通じて交尾しますが、繁殖のピークは国や地域によってことなります。雌は20ヶ月から24ヶ月の間隔をあけて出産します。妊娠期間は103日間で、一度の出産で2頭か3頭の子供を生みます(1頭から7頭まで生まれる可能性があります)。子供は生後18ヶ月から28ヶ月間は母親のもとで暮らします。野生のトラの寿命は8歳から10歳です。
1993年の調査では、3,750頭のベンガルトラが発見されました。最も個体数が多いのはインドで、他にも数百頭がネパール、ブータン、バングラディッシュ、ミャンマー西部で見つかりました。
1994年の調査で150頭から200頭のアムールトラが見つかりました。政治や経済の不安から密猟の危険にさらされるため、残ったアムールトラの大部分は極東ロシアに棲み、数頭は中国北東国境地帯または北朝鮮に棲息していると考えられます。
種の現状
現状アムールトラは国際自然保護連合(IUCN)の「絶滅危惧IA類」に分類され、ベンガルトラは「絶滅危惧IB類」に分類されています。どちらのトラも、ワシントン条約の「付属書I」に掲載されています。
種に対する脅威
歴史的に、ロシアと中国ではトラは害獣と見なされ、殺すことで報奨金が与えられていました。また、トラは、その美しい毛皮や、中国と韓国の伝統医療の材料になるトラの骨や体の一部を目的に狩猟の対象になってきました。さらに、スポーツ(トロフィーハンティング)や、ロシア軍のトレーニングの一環としてもトラ狩りは行われました。現在では、密猟、乱獲による餌の減少、棲息地域の破壊と分断などによって絶滅の危機に直面しています。トラは現在でも家畜を襲うとして処分されることもあります。中国の伝統医療で使うトラの骨を目的とした密猟が、アムールトラの深刻な脅威となっています。
アメリカ合衆国では、野生の総個体数より多い、およそ10,000頭のトラが動物園やペットとして飼育されています。サーカスや移動動物園、設備の十分でない動物保護施設などは、保護繁殖を通じてトラの種の保存に貢献していると主張していますが、実際は、しっかりと管理されていない保護繁殖でトラの遺伝的多様性を損なう結果になっています。このような正式に認可されていない施設で生まれたトラは、決して自然に戻すことは出来ません。
IFAWは、北アメリカにいるトラやその他の大型のネコ科の動物の保護を徹底し、その取引を規制する法律の制定に向けて活動しています。
国際取引
ワシントン条約「付属書I」によって国際的な取引は禁止されています。
著者と出典
出典CITES. 2001. Tiger. http://www.cites.org.
IUCN. 2001. The 2000 IUCN Red List of Threatened Species. http://www.redlist.org.
IUCN Cat Specialist Group. 2001. Tiger. http://lynx.uio.no/catfolk/













