ワシントン条約、保護の危機

Thursday, March 25, 2010
カタール、ドーハ
本日閉幕した「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)」、通称ワシントン条約の第15回締約国会議(CoP15)は、急速に失われつつある生物多様性の取り組みに関して残念な結果に終わりました。

「またしても長期的な保護よりも短期的な利益がこの会議のテーマとなりました」とIFAWのCITES代表団長、アザディン・ダウンズは言います。

「本会議最大の敗者には、ホッキョクグマ、クロマグロ及びすべてのサメ類が含まれます。参加国は、個体数の劇的な減少を示す科学データを認めることを拒んだのです。これらの種にとっては、国際取引を制限し取り締まるための緊急な取り組みが是非とも必要ですが、ワシントン条約の締約国はこぞって背を向けました。」

シュモクザメは今日の全体会合で再提起されましたが締約国の支持を得られず、第I委員会で支持されたネズミザメも再提起されたものの逆転否決されました。最終的な投票結果は賛成84票、反対46票、棄権10票で、可決に必要な3分の2には届きませんでした。

「これはサメにとって実に悲劇的です」とIFAWのプログラム・ディレクター、ピーター・プシェルは言います。「毎年1億頭近くのサメが捕獲されており、種によっては過去10年間で最大80パーセントも減少したものもあると思われます。それでも締約国は無責任にも保護の強化に反対票を投じたのです。」

「しかし会議において立場を守れた種もあり、このことは将来に向けて一筋の光を残すことになります。」

トラは、前回の会議で勝ち取った貴重な保護対策を引き続き受けることになりました。生息国が団結し、トラの部位と派生物の取引のためにトラを飼育すべきではないという決定を支持したのです。

象牙取引の9年間の一時停止措置が全てのアフリカの生息国に拡大されることはありませんでしたが、タンザニアとザンビアが提出した、1回限りの象牙販売と、皮と毛の取引を可能にする、ゾウの付属書IIへの格下げの2つの提案は、否決されました。

「確かにこれはゾウにとって最高の、重要な勝利です」とIFAWのアフリカ南部支局長、ジェイソン・ベル-リースクは言います。「この結果は、各国がアフリカのゾウに必要なのは時間だと理解していることの表れだと願っています。1回限りの販売がどのような影響を及ぼしたかをモニターする時間、密猟を取り締まるためにより効果的な手段を講じるための時間、そしてアフリカの国々が将来に向けてゾウを護っていくための解決策を探るために力を合わせて活動するための時間です。」

インターネットを利用した野生生物の違法取引をより厳しく規制するための対策も今回のワシントン条約会議で承認され、絶滅が危惧される種にとって脅威として高まっているこの問題を管理する上で、小さな一歩を踏み出しました。

「2010年、私たちは生物多様性の損失を抑えるのではなく、むしろ加速させています。世界中の種の除去に向けてスピードを上げているのです。このワシントン条約会議の本当の話は、動物や植物についての話というより、この星を破壊する密室の取引や短期的な欲の話でした」とアザディン・ダウンズは言いました。

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